ユニコーン時代からレコーディングでお世話になっていたエンジニアの宮島哲博(独身)さんがHit&Runの所属になりました。奥田君やPuffyを初め、GRAPEVINEなど数多くのレコーディングに携わっている宮島さんに音に関する質問をお待ちしています。
「デモテープを録りたいのだがコツは?」「○○のあの曲はどうやって録音したの?」「家のオーディオの音を何とかしたい!」など、簡単な問題からマニアックな問題まで何でもOK!これは教えてあげなくてはっ!というものをお答えしていただきます。質問の内容、お名前を入れたメールをこちらまでお送り下さい。同時に宮ちゃんの合コン相手も募集します。簡単なプロフィールと写真を送って下さい。(メールで!)
※宮ちゃんの写真が見たい方は「デジカメ隊が行く!」のPuffy香港ライブの中にありますので
そちら
をどうぞ
クジヒロコさん
一口坂スタジオ久々に行くのですが
最近オススメのメシは何でか~?
おー!マニアックな質問ですな~
まずお弁当の『管太郎』。メインの「とり重」「メンタイ重」「オニ重」はもちろん、他の弁当も旨いよ。
「石狩弁当」はシンプルで良く食べるし「管太カレー」もグー。
お次は中華の『フジ』。「トルコライス」「トーフキムチそば」等のオリジナルメニューはどれも美味しい。
メニューがおもしろいので何が来るかわからないワクワク感も楽しめるよ~。
他では無難なところでお弁当の『まるみ』『久留真家』『はこべ屋』『駒春』『はせ川』、
中華の『開華亭』三貴苑』、洋食の『IKOBU』『オーベルジーヌ』『パク森』。
そば屋はどこも似たようなモンです。
ウマイもん食ってガンバッテね~
P子さん
私はとある専門学校でコンサートの制作やら運営やらを勉強しているのですが、
機材についての知識が全くなくどう勉強して良いのか、
どのぐらいの知識が必要なのか分かりません。
学校にはそういう授業がないので悩んでいます。
是非教えて下さい、よろしくお願いします。
質問が少し漠然としていて参考になるかわかりませんが・・・・
僕も専門学校を出ていまして今の仕事に就いている訳ですが、
実際に学校で習うことが社会に出てからどれほど役に立っているかと考えると
ほとんど無いに等しい(僕の場合ですが)ような気がします。
どんな現場(仕事)でもそこで働き始めてから、
教えられそして覚えて身に付けていくものではないでしょうか。
良く「即戦力」なんて言葉を耳にするけど、
すぐに専門職で力を発揮できるなんて無理でしょうね。
それよりも日常的な事柄、
「挨拶が出来る」「ちゃんとした言葉使いが出来る」「その場の空気が読める」etc・・・・
まずは社会人として基本的な事ができ、技術や知識はその後にやっと発揮できると思います。
会社としても入社してその日からいきなり専門的な事を求めてくるなんてないでしょう。
またそんな期待もしてないでしょう。
ただ新しく教えられる事をいかに早く吸収し自分の物にしていけるかがその人の能力。
ふつうの人が1ヶ月掛かる事を1週間でモノにできたら最高ですよね。
だから学生の時にしなきゃいけないのは、自分の知識以外の事に出くわした時
それをいかに早く理解し身に付けることが出来るか。
音楽の世界に関わろうとするならたくさんコンサートに行ったりCD聴いたりする。
本を読んだり、または多くの人(例えば自分よりもずっと年の離れた人や
自分の全く知らない世界の仕事をしてる人)と会話するのもとても大事だと思います。
2年間専門学校で習うことより、仕事をはじめて1ヶ月で学ぶことの方が多いはず。
とてもキツイけれど楽しいですよ。でも楽しくするのは自分自身。
がんばってください。
一木 真さん
奥田さんの「Live Songs/DVD」を買ったんですが、
メインメニューの中に「2ch」だの「5ch」だのを選ぶやつがありますが、
あれは一体なんなんですか?二つはどう違うんですか?
うっ!
これはSMAの映像番長の銀ちゃんに答えてもらいましょう。
宮島さんにご指名いただきました鈴木(銀)です。
お問い合わせの「2ch」「5ch」とはなんぞや?ですが、簡単に言えばスピーカーの数です。
映画館などでマトリックスを見ると後ろからも前からも発砲音が聞こえたりします。
これは後ろにも2つのスピーカーがあるからです。
また、ドラマチックな曲が流れているシーンで泣かせるセリフが
画面の真正面から聞こえたりしますが、
この場合は正面の真ん中にスピーカーがあるからなのです。
正面の左右に2つ、真ん中に1つ。
後ろの左右に2つの合計5台で音の定位(方向)を作り出しています。
また、低い音専用のスピーカー(といってもただの箱に見えますが・・・)が1つあって、
全部で6つのスピーカーを使ったシステムが「5.1CH」というものです。
「CH」はチャンネルの意味で、低音用は用途が別なので
5.1という組み合わせで「ごーてんいっちゃん」というのです。
予断ですが、最近では後ろにもスピーカーを置く「6.1CH」というシステムもあるようですが、
問題は再生するソフトがそういった音声になっているかどうかです。
ひと昔前まではそういった機能ありませんでした。詳しくはDVDの裏に書いてあります。
家で5.1CHを楽しむには電気屋さんで売っているシステムを買って、
DVDプレイヤーと接続すれば出来ます。
当たり前ですが、テレビのスピーカーを5個に増やしても何にもなりません。
さらに予断ですが、買う時は重いので歩いて買いに行く時は覚悟しましょう。
僕は近所の量販店で買ったんですが、あまりの重さにくじけてしまい、
わずか500メートルのためにタクシーに乗りました。
satoさん
MAエンジニアについて教えて下さい。
またMAエンジニアを目指すにはなにを勉強すればよいのですか?
MA、確か「Master Audio」の略だっけかな?
あまり詳しくないけど、映像に対して音を処理していく
エンジニアを総称して「MAエンジニア」と呼ぶみたい。
映像が絡む全ての作品、または番組。
ドラマ・ニュース・映画・CM・音楽ビデオ(DVD)他、
必ず「MAエンジニア」が活躍しています。
例えば音楽のライブビデオの場合、
僕らレコーディングエンジニアがコンサート会場で録音し、
その後スタジオでミックスして1曲1曲を仕上げていきます。
その後1本の繋がった作品に仕上げていかなくちゃなりません。
また制作意図によってはMCをカットしたり、
曲順も変えたりするかも知れない。
途中でオフショットを挿入なんて良くありますよね。
録られた素材を貼り付けて必要であれば歓声や効果音を足し作品が出来上がります。
それを処理していく作業が「MA」です。
「レコーディングスタジオ」と「MAスタジオ」はハッキリ分かれてるので
直接門を叩いても良いかもね。
何を勉強すればよいかは分かりかねます。スマソ。
一木 真さん
奥田さんの「花になる」や「近未来」とかは、
奥田さんの声がなんか2、3人で歌っているように聞こえますが、
あれは何か特別な処理をしているんですか?
かつてビートルズが「Hard Day's Night」や「Paperback Writer」でやってた
ボーカルの二重録りなんですか?教えてください。
ビンゴ!
その通り重ね録り、「ダブルトラック」って言います。
Vocalトラックを2つ出しています。別に3つでもイイのだけど、
ぼやけてくるのでメインボーカルでは余りやりません。
コーラスの時は3つの場合もあります。広がり感が増しますね。
みつこさん
宮島さん、こんにちは!
OT10とても楽しかったです。新曲もたっぷりで、アルバム早く聴きたくなりましたよ~。
ところで、質問です。
ライブの時に「これは歌だ」を聴いていて、あれっと思ったのですが、
「何のための歌だこれは~!♪」の時、後で追いかけるコーラスを、
誰も歌ってないことに気が付いたのですが、あれは、どうなっているのですか?
しかも、民生さんの今歌った声がそのまま繰り返されていたようでしたが、
そうだったのでしょうか?教えてくださ~い。宜しくお願いします。
良いところに気付きました。
あれはRecordingでもよく使うテクニックで、delay(ディレイ)って言う機械を使って効果を出しています。
今回のツアーでのグッズの中に「
OTデザインTee TEPSUPHONEシリーズ “DELAY TIME”
」があります。買いましたか?
これは曲のテンポ(BPM)に対してのタイムが簡単にわかるように表になっています。
BPMってのは「beat per minute」、1分間あたりの拍数のことで「♩=120」等と表記されます。
これは曲の速さが1分間に120拍ってこと。
つまり60秒間に120拍だから1拍では0.5秒、500msecなのです。
「これは歌だ」のCD聴いてテンポを測ったらおよそBPM=86。
これは1拍の長さが698msec。
Aメロの「何のための歌だこれは~」の追っかけディレイは、
5拍目のアタマから出てくるので698×4=2792msec。
delayを2792msecにセットしON/OFFを繰り返すとあの効果が出るのです。
『股旅』の「遺言」も同じようなことをやってますね。
しかもディレイの方にはharmonizerでピッチを1オクターブ上げています。
金やんさん
レコーディング用にアンペグB-15、ベースマン以外に何か手頃なのないっすかね?
教えて♡
ども、お世話になってま~す。
ampegのB-15は良いアンプですよね。ルックスも最高、
でも少しキレイな音過ぎるかも。
ampegはSVTなんかもあるけどあれはパワーあり過ぎかな・・・・
FenderのBASSMAN、もっとも有名なベースアンプのひとつ。
多くのギタリストが使っているツイードのタイプも良いよね~。
他に100Wや135Wの4発の大きいタイプもありますね。
他にはMarshall。SuperBassやJCM800と多種ありますね。これも好き。
HIWATTにもベーアンあったよね??
匿名さん
ローディーって何する人ですか?
レコーディングエンジニアにとって「ローディー」ってのは、
リズム録ったり楽器のオーバーダブやってる時にスタジオで関わるのがメイン。
「ローディー」の語源がライブツアーに出るのを『ROADに出る』からとの説もありますが、
僕よりももっと多く、且つ深く接していてSMAでフジファブリックや奥田民生で
マネージャーとして腕をふるっている山岸ケン氏にお手伝いいただきました。
以下、山岸氏
えっと、これってSMAのモバイルでも読めるんだよね~。
ということは、以下文章がスゲー長くなっちゃうけどいい?
で、オレにとってのローディーとは“スージー”と“あっちゃん”なんですが、
まぁ、個人的な事は置いといて、ローディーとは楽器を管理したり
セッティングしたり、その他モロモロを色々行う人のことです。
ベーシックな所では、ライブやレコーディングで楽器を搬入し、
セッティングし、音を出し、サイコーなライブやレコーディングを演出し、
楽器を片付け撤収する、というのが流れです。
それと日々の楽器メンテも欠かせないすね。
だから楽器と電気の知識&技術、普通免許と体力は最低限必要かな。
と、こんな書き方だと楽器をちょっといじった人なら誰でもできるように思えますが、
そうじゃぁないのが、この世界の深い所であります。
と言うのも、ローディー界で名をなしている、というか、
デキるヤツというのは、必ず担当ミュージシャンからの絶大な信頼を得ています。
なんで、楽器だけできればいいというワケではなく、
その人の音楽的な感性から人柄までが色々試されるシビアな世界でもあります。
逆に信頼関係が確立されているのなら、ライブのモニター決めから、
レコーディングの音決めなど、音に関わる重要なポイントについて意見を求められ、
ミュージシャンにアドバイスするのがローディーなんです。
当然ステージのプロでもあるので、舞台監督的な知識は必要だし、
ちょっと険悪なムードになっちゃったりしたら、その現場を和ますのもその人の腕次第。
楽器だけじゃなく、トータルでアーティストを見ていなければいけません。
だから、そんなミュージシャンの手となり足となるローディーから、
マネージャーになる人も多いのも納得が行くっちゅーもんで。
マネージャーよりも一緒にいる時間が長かったりもするもんね。
つうか、下手なマネージャーがいるよりは、スーパーなローディーがいる方が
何倍も売れちゃったりする可能性があると思います。いや、マジで。
いや~、ローディーの世界は深いですぜ。
匿名さん
民生さんのチューナーはどこのメーカーですか?
この質問はより詳しく知っている、SMA山岸健氏の回答いただきました。
次は民生さんのチューナーの話ね。
民生さんが使ってるのは、BOSSのTU-121というチューナーです。
これは現在絶版になってしまっているモデルなんですが、
民生さんの溺愛ぶりから全国津々浦々を探したりしました。
そんな甲斐あって、普通のロケンロールな楽器屋さんではなく、
名古屋の邦楽の楽器屋さんにまだ売ってた、なんていうローカルな情報を基に、
現在に至るまでに5個?を所有しております。
オレはそれの簡易版的なチューナーのTU-12を使ってますが、
民生さん曰く、TU-121の方が「反応が早くてイイ」とのこと。
TU-12は「イライラ」するとのことであります。
どうしてもお試しになりたい人は和楽器屋さんをチェックしてみるといいかも。